Chrome 開発者ツールの主な使い方
Web ブラウザの Google Chrome で「表示 → 開発/管理 → デベロッパーツール」(F12、command + option + i
)を押すと開発者ツールが表示されます。
そこで、開発者にとって非常に有用なそのツールのなかで、特に利用頻度の高い機能と簡単な用途について説明します。
※説明画像は、すべて Twitter を開いたときのものとなります。
Elements
- 開発者ツールを開くと、デフォルトで Elements タブが選択されます。HTML、CSS のコードを表示し、編集できます。
- HTML を編集
- 左端の「Select an element」ボタン(矢印アイコン、
command + shift + c
)をクリックし、Web ページ上の要素を選択すると、Elements タブでその要素がハイライトされ、その要素の HTML コードが表示されます。 そこで、右クリックで「Edit as HTML」を選択すると、HTML コードを編集できます。
- 左端の「Select an element」ボタン(矢印アイコン、
- CSS を編集
- 左端の「Select an element」ボタン(矢印アイコン)をクリックし、Web ページ上の要素を選択すると、その HTML タグの Style が開発者ツールの右ペインに表示されます。 そこで、各プロパティの値を編集できます。さらに、新たにプロパティを追加できます。
Console
- JavaScript の実行やデバッグ、エラーメッセージの確認ができます。
- 開発コードの
console.log()
などのコンソールコマンドの結果が表示されます。 - JavaScript のコードを入力して Enter キーを押すと、そのコードがリアルタイムで実行されます。
- 多くの開発者が、Console を開きながら開発を進めています。
Sources
- Web ページに関連するファイルがツリー構造で表示されます。
- JavaScript のデバッグを行います。
command + p
でデバッグ対象のファイルを選択します。- デバッグを行うためのブレークポイントを設定するには、コードの行番号をクリックして、青いマーカーが表示されるまで待ちます。ブレークポイントが設定されると、コードがその行で一時停止し、変数の値やコールスタック(処理の流れ)を確認できます。
- デバッグ中に、上部のツールバーにある実行コントロールボタン(再生、一時停止、ステップオーバー、ステップイン、ステップアウトなど)を使って、コードの実行をコントロールできます。
実行コントロールボタンについて
- pause script execution - F8:スクリプト一時停止。
- resume script execution - F8 : スクリプトを再生。
- step over next function call - F10 : 関数等の呼び出しをスキップする動作。ステップオーバー。
- step into next function call - F11 : 関数呼び出しの内部へ移動してさらにステップ実行を続ける動作。ステップイン。
- step out next function call - F11:ステップイン後の呼び出し元に戻るまで一気に実行する動作。ステップアウト。
- step - F9 : 次の処理を実行し、カーソルを進める。ステップ実行。
なお、デバッグするためには sourcemap を設定します。sourcemap を設定するとコンパイル前のファイルが扱えますが、通常は開発環境の場合のみ設定されています。
Network
- Web ページに関連するリソースや通信の情報を確認、分析、デバッグできます。
- Web ページに関連するリソース(HTML、CSS、JavaScript、画像、フォントなど)が順々に読み込まれる状態をリスト形式で表示されます。
- Fetch した結果が表示されます。
Fetch/XHR
タブを選択すると Fetch した結果が表示されます。 例えば WebAPI を Request した結果の Response を確認することができます。その他に URL、応答ステータスコード、応答ヘッダー、リソースのプレビュー、応答時間なども確認できます。
Application
- Web ページに関連する Local Storage や Cookie、Cache、そしてマニフェストなどの情報を確認、編集、デバッグできます。
- 特に Local Storage の値を確認、編集することが多いです。それは Web アプリケーションを実行する上で、それらの値を参照するためです。
Lighthouse
- Web ページの品質を評価します。パフォーマンス、アクセシビリティ、ベストプラクティス、SEO、プログレッシブウェブアプリ(PWA)など、さまざまなカテゴリで Web ページを分析し、改善点が表示されます。
- 分析対象の項目を選択した後、「Analyze page load」ボタンをクリックするとページを分析し、レポートが生成されます。 レポートには各カテゴリのスコアが表示されて、具体的な改善点と推奨される対策が提案されます。
Redux
- 利用するには Chrome 拡張機能「Redux DevTools」を install します。
- Redux を使った JavaScript アプリケーションの状態管理をデバッグできます。
- 左ペインで Action を選択すると、アプリケーションで dispatch された Action のリストが表示されます。Action が dispatch された時点のアプリケーションの状態や、状態の変化を順番に追ってデバッグできます。
- 右ペインの Action タブで、左ペインで選択した Action の type や payload の情報を確認できます。
- 右ペインの State タブで、左ペインで選択した Action 時の Store の State を確認できます。
- 右ペインの Diff タブで、左ペインで選択した Action によって状態がどのように変更されたかを確認できます。変更前後の state を比較して、reducer が正しく機能しているかを確認できます。
Components
- 利用するには Chrome 拡張機能「React Developer Tools」を install します。
- React のコンポーネントの階層構造をツリー上で視覚的に確認できます。
- コンポーネントツリー内の特定のコンポーネントを選択すると、そのコンポーネントの state や props を確認できます。
- 左ペインの右上の「設定」アイコンをクリックして、「Highlight updates when components render.」をチェックすると、画面表示や UI 操作によってレンダリングされた Component を確認できます。
以上となります。 簡単ではありますが、Chrome 開発者ツールで利用頻度の高い機能とその説明でした。